食べちゃうよ。
もう、戻れません。









結局、上野さんを家までタクシーで送り、あたしたちも家に帰った。

帰ったといっても、諒君の家だ。




「飲み直す?」




諒君はそう言って、缶ビールを出したが、




「お茶にする」




あたしはこれ以上飲めない。

飲んだら同じ過ちを繰り返すに違いない。




あたし、知らなかったんだ。

諒君がすごくお酒に強いことを。







結局、諒君も麦茶を入れ、そのままクローゼットをガサゴソとあさる。

そして、おもむろにTシャツを取り出した。

そして、首を傾げてまた戻す。




「どうしたの?」




なんとなく聞いたあたしの耳に、ありえない言葉が返ってきた。





「ちーちゃん、今日泊まってくでしょ?」



「え?」



< 132 / 172 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop