食べちゃうよ。




上野さんはあたしを見たまま、ふっと吹き出す。

そして、



「あはははは」



楽しそうに声を上げた。

あたしと諒君は思わず顔を見合わせる。




「知ってるよ、川島が俺に興味ないくらい。

真面目に振るなよ、調子狂うだろ」




なんだか上野さん、無理に笑っている気がする。

心が痛いよ。




「同情とかいらないから。お幸せに」




そう言って、机にバタッと伏せ、すーすー寝息を立てて眠りに落ちた。





最後まで迷惑な人だ。

飲みに来て、酔っ払って告白して、潰れて寝てしまうなんて。

だけど、今度からは少しお手柔らかにしようと思った。

それに、上野さんに告白されて分かったよ。

あたしは、誰かと迷う余地がないくらい、諒君が好き。

あたしには諒君しかいないんだ。





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