夏恋



「そういえば青羽さぁー、そろそろ彼氏とかいてもいい頃なんじゃないかな?」



うっ…それはそうだけどさ…



確かに、洸兄はまだしも中三の柑奈でさえ彼氏がいる…




妹より彼氏作るのが遅いってなにごとかと考えることがよくあるが私は…


「運命的な出会いなんてないし、
大学に入ってからでもいいかなーって。」


すると柑菜は 何言ってんのこいつ…みたいな顔でこっちを見てきた。



「あのねえ!アオ姉、青春は一度きりなんだよ⁈」

いや、そうだけどさー。



「青羽、今のうちになにごとも楽しんでおかないと。社会人になってから本気で後悔するよ。」


こ、洸兄まで…。


正直、異性のことを本気で好きになったことはない。小学校の頃に転校してきた男の子がいたんだけど、かっこいいなぁと思っただけだし…

好きな人ってどうやって作るんだろう…?




「そんないい人いないし、出会いもないの。だから!いいのいいの!気にしないで!私は私のペースで好きな人見つけるんだから!」



今はそんなこと考えなくていいの。





渚や未玖がいてくれればそれだけで楽しいの…






そんなとき、にかっと笑った櫂の姿が思い浮かんだ。





どうしてだろ…?


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