悪魔野郎と天使くん


「悪魔くん終わったよー?」


「…はっ、おまっ、」


「え??」


あたしが本棚の方を振り返ると…ってえー!!!


なんっ、


ガタン!!!!


「…」


「っぶね…お前何してんだよ!」


「だって届かなかったんだもん!!」


「だからって本棚倒すバカどこにいんだよ!」


「別に倒したくて倒したわけじゃ!」


「…怪我しても知らねえぞ」


…だけど悪魔くん、あたしを守ってくれました。


悪魔くんは自分の方へあたしを寄せたのでした。


そんでもって今抱きついた状態…。


この状況にやっと目が覚めるあたしと悪魔くん。


「…離れろ暑苦しい」


あたしは恐る恐る悪魔くんに離れる。


「…あ、ありがとう…」


「別に。お前ちびだから届かねぇの当たり前」


「ち、ちびって…」


「この有様…どうすんだよ」


「どうって…」


「もういい。明日だ明日」


「えぇ?」


「明日も俺ん家来い」


「え…」


非常に嫌だ。


「なんならこのまま泊まって行くか?」


「へっ!」


「なわけねーだろ。期待すんなちび」


「別にしてないし悪魔!」


「悪魔ってなんだ」


「悪魔は悪魔だよー」


「は、お前殺すぞ」


「はーい。すみませんー」


悪魔くんはよく分からない。


だけど意外と良いところもあった。


良いところと言っても、百分の一の確率で。

< 26 / 86 >

この作品をシェア

pagetop