ゆるりゆらゆら恋心
もともとの出会いはアルバイト先で
そのときから依くんを狙っている人が多数いたのを覚えている。
そのとき私の教育担当としてついてくれたのが依くんで、面倒見の良さと口の悪さに反して丁寧な教え方に、私も心ごと堕ちてしまった。
だけど次第に(依くんの取り合いで)悪化していく人間関係に嫌気がさしたのか、私が入った半年後に依くんが辞めることが決まって
どうせなら気持ちよく振ってもらおうと告白したのはいいけど、
「じゃー付き合う?」
「へ」
「付き合わないの?」
「え、や、え、つき、付き合いたいです!」
「うんよろしく。俺今日でバイトは終わりだけど」
なんで私なんだろうって、本気で思った。
だって私、周りの大学生と比べたら色気もないし、かといって依くんに頑張ってアピールするほどの勇気もなかったし
私がアピール出来ることなんて、依くんの仕事を増やさせないよう、自分の仕事をきっちりこなすことだけだった。