クールなイケメン男子に惚れてしまって
そう言いながら、私がノートにびっしり書いた計算式をあいつに見せた。




「おお、すごいな」




感嘆の声を漏らしてそういうあいつが何だか可笑しかった。




「これはね、この式を使って……」




……駄目だ、心臓がもったもんじゃない。




ドキドキとか、そういうドラマチックな話ではない。




男の人が近くにいるのだ。




それだけで寒気がする私にとっては早く離れたい気持ちでいっぱいだった。




新鮮な空気から漂うほのかな香り。




その香りにやられてしまいそう。




「……あっ」




カラカラ……。




急に派手な音がしたと思ったら、手に持っていたはずのシャーペンが床に転がり落ちた。
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