203号室で暮らそう
「えっと、私、これからバイトなんだけど。陽景くん、どうする?」
 
まさかバイト先までついてくることはあるまい。

「ゆーかん家、戻ってていいか?」
 
すっかり“ゆーか”と呼ぶのを定着させた彼。

「うん。じゃあ、ハイ、コレ。合鍵、渡しとく」
 
私は彼の手に銀色のキーを落とした。
 
柚実たち……私の仲間たちとも、打ち解けたみたいだし。
 
なんか、やっと素顔を見せてくれたから、渡してもいいかなって思えたんだ。
< 59 / 219 >

この作品をシェア

pagetop