双姫 Ⅲ


『フハ〜…♪』


言い切りましたよ!
言い負かされてたけど遂に!!!!

でも、コイツも黙ってない筈!
く、来るなら来いッ!


スチャっと両手を構える。


「……俺、帰るわ。」


『えーそ〜ですかどうぞ……え…?』


「母さん、俺は倉庫に泊まっから。
亜蓮はどーすんだ?」


「え、蓮斗…帰っちゃうのぉ?
じゃあ、僕も倉庫行こっかな♪

母さんは父さんと仲良くしててねぇ!」


「こ、こら/////」


バタン


「おねぇちゃん凄い♪
上手く追っ払え…おねぇちゃん……?」


『……え、なんでもないよ!
やっと静かになったね!!!』


「う、うん。」


何よ、私は思った事言っただけじゃない。
いつもだったら言い返すくせに…。


でも、出て行った蓮斗の背中が
少しだけ寂しそうに見えた。

その後に食べた疾風さんの手料理も、
美味しそうなのにあんまり味が分からなかった。


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