双姫 Ⅲ

目的



蒼月side


「おねぇちゃん…出てよぉ!!」


何度電話してもおねぇちゃんは出ない。

前にもこんな事があった。

熱が出て、蒼月の為に杏仁豆腐を
買いに行ってくれた時にお母さんと間違えられて
ストーカー男に襲われそうになった。


" 始末せぇよ。 "


碧の言葉が嫌な予感を増幅させる。


「蒼月!」


「……亜蓮ッ!」


「中々戻って来ないから心配して……。
それで、朱羽と連絡取れた?

僕も湊に電話しても出ないんだ!」


「おねぇちゃんも出なくて…。
またトラブルに巻き込まれてたらどぉしよー!!」


一人で考えてた所に亜蓮が来てくれたから
緊張の糸が切れて涙が溢れる。


「わーわー!泣かないでぇ!!
とりあえず、このまま探しに行こ?」


「うん!!」


蓮斗達の所へは戻らず、
亜蓮のバイクに乗って探しに出た。


蒼月sideEND


< 432 / 520 >

この作品をシェア

pagetop