双姫 Ⅲ
『なんで、碧は…あんな嘘を?』
皆に「裏切り者」だと言われたのに。
「いきなし「犯人はお前や!」ってゆーても
「はい、そーです!」なんて言わんやろ?」
『それはそうだけど……。』
「真綺を油断させる為には皆も騙さな♪
あ、せやけど蓮斗のパンチは痛かったでぇ〜?」
碧の頬には湿布が貼られてある。
「仲間の為に男が身体はらんでどないする?
……わいは『信神』
不審な動きをすれば皆が疑うと信じたんや。
動く前に颯真が捕まったんは想定外やったけどな?」
「悪かったな、捕まって!イデッ!!」
「もぉ!動かないでよ〜!!」
蒼月が颯真の手をハンカチで止血している。
「碧、疑って悪かった…。
助けてくれてありがとな?」
「なんや、蓮斗。
改めて礼言われるんは照れるなぁ〜(笑)」
和やかな雰囲気の中、
「茶番は終わりよ…大人しくその二人を渡しな。」
真綺が見た事もない顔で睨みつけていた。