双姫 Ⅲ


『なんで、碧は…あんな嘘を?』


皆に「裏切り者」だと言われたのに。


「いきなし「犯人はお前や!」ってゆーても
「はい、そーです!」なんて言わんやろ?」


『それはそうだけど……。』


「真綺を油断させる為には皆も騙さな♪
あ、せやけど蓮斗のパンチは痛かったでぇ〜?」


碧の頬には湿布が貼られてある。


「仲間の為に男が身体はらんでどないする?

……わいは『信神』
不審な動きをすれば皆が疑うと信じたんや。

動く前に颯真が捕まったんは想定外やったけどな?」


「悪かったな、捕まって!イデッ!!」


「もぉ!動かないでよ〜!!」


蒼月が颯真の手をハンカチで止血している。


「碧、疑って悪かった…。
助けてくれてありがとな?」


「なんや、蓮斗。
改めて礼言われるんは照れるなぁ〜(笑)」


和やかな雰囲気の中、


「茶番は終わりよ…大人しくその二人を渡しな。」


真綺が見た事もない顔で睨みつけていた。


< 484 / 520 >

この作品をシェア

pagetop