双姫 Ⅲ
朱音side
「やっと、やっと会えた。
この時をずっと待ってたのよ!!」
あぁ…確かに似てる。
「千原 真綺。
貴女が私を狙う理由は錦が関わっているからね。」
「そうよ……。
アンタは私の唯一の兄を、そして人生を奪った!
だから、この場所を選んだ。
全てが始まったこの場所を!!!」
ゆっくりと瞼を閉じる。
" アイツ…アイツが奪ったッ!! "
「返して……。」
" 返せ。 "
「お兄ちゃんを返してよッ!!」
" 蒼空を返せ!!! "
蒼空…貴女が死んだ場所で同じ事が起こるなんて。
今度は私が恨まれる立場で……。
目を開けると、
「絶対に」
" 許さない "
幼い私が見えた気がした。
朱音sideEND