双姫 Ⅲ


朱音side


「やっと、やっと会えた。
この時をずっと待ってたのよ!!」


あぁ…確かに似てる。


「千原 真綺。
貴女が私を狙う理由は錦が関わっているからね。」


「そうよ……。
アンタは私の唯一の兄を、そして人生を奪った!

だから、この場所を選んだ。
全てが始まったこの場所を!!!」


ゆっくりと瞼を閉じる。


" アイツ…アイツが奪ったッ!! "


「返して……。」


" 返せ。 "


「お兄ちゃんを返してよッ!!」


" 蒼空を返せ!!! "


蒼空…貴女が死んだ場所で同じ事が起こるなんて。

今度は私が恨まれる立場で……。


目を開けると、


「絶対に」


" 許さない "


幼い私が見えた気がした。


朱音sideEND


< 487 / 520 >

この作品をシェア

pagetop