双姫 Ⅲ
朱音side
「……いつから私が『双姫』だと?」
『双姫』は二人存在すると噂されていた。
加えて、玲が嘘の情報を流したから
私だと知る人は数少ない。
「邦ヶ丘高校の体育祭。
『黒双姫』が来ると聞いて見に行ったのよ。
仮面が外れた時、笑いが出た。
まさかあのCielが『双姫』で、
『黒双姫』『白双姫』が同一人物だったとはね?」
蓮斗に顔面殴られた時に見られてたのね…。
「それからは簡単だった。
アンタの事をしらみ潰しに探して
ストーカー男を焚き付けたり、
バイクで朱羽達を襲わせたりしたのよ。
ふふ…碧のせいで全部狂ったけどね。」
「そんな褒めんといてや〜♪」
あの子が『飯嶌組』の。
「それじゃあ、次は私からの質問。
どうして黒幕が私だと知っていたの?
碧…『飯嶌組』の動きが怪しかった筈でしょ?」
気付いたのはついさっきだった。
あのメールと一つの電話。