双姫 Ⅲ
『じゃあ、早く帰ろ!!』
もう聞きたくて堪らない!
「その前に片付けがあるから先に帰りなさい。
少ししたら帰るから。」
周りには気を失った豹柄男の子分。
「直ぐに終わらせる。
李樹、悪いが朱羽と蒼月を送ってくれ。」
「分かりました。」
的場さんがスマホを取り出し、電話を掛ける。
「類、俺らも手伝ってやるよ。
これだけの数だからな。」
「ありがとうございます、義兄さん。」
「やっぱ、義兄さんって照れくせぇ(照)」
「紘にぃが「言え」って言ったのに…?
じゃあ、また家でね。」
優しく頭を撫でられ、嬉しくなる。
『「うん!!」』
「朱羽さん、蒼月さん。
車が来たので乗って下さい。」
お母さんに背を向けようとした時、
「死ねぇ!!」
近くに倒れていた男が起き上がって、
お母さんに掴みかかろうとした。