好きの音が空に響くとき
「ここか」
アパートの郵便ポストで潤の部屋を確認する
「潤!きたわよ!」
ドアをノックしながら潤を呼ぶ
「潤?」
何度呼んでも出てこない
ドアはあいていた
「潤入るわよ」
「先輩?」
「大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ」
「あんたひとり?」
「一人暮らしですから」
「薬買ってきたから」
「ありがとうございます」
「なんで一人暮らしなら言わないの!」
「ははは」
「治るものも治らないでしょ!」
「そうですね」