初恋は叶わない

尋問

おかげで次の朝は、

大急ぎでシャワーを浴びる羽目になり、

私のあまりの慌てぶりを見て、

お母さんは呆れていた。

低血圧のカラダには少々キツイけど、

自分のせいだから仕方ない。



今日は朝から、みかとゆうきとなっちゃんが

我が家に来ることになっている。

午後からはそれぞれ予定があるらしい。

彼女たちは私と違って忙しい身なのだ。

それでも、こうして集まることになったのは、

みかが色々二人に言ったんだろうけど…。




「「「おじゃましまぁす。」」」




私しかいないって知ってるくせに、

玄関でわざとらしく三人が声を揃える。



「はいはい、どうぞー。」



笑いながら、あしらうように答える私の手に、

コンビニ袋いっぱいのお菓子が渡された。

一応気を使ってくれたのか、

ただ自分たちが食べたかっただけなのか。

玄関のカギをかけ、最後にリビングに入ると、

もう各自、自分の家のようにリラックスして、

思い思いの場所へ腰をおろしていた。

ソファに座ったり、床に座ったり。

ガラステーブルの上にお土産のお菓子を山積みにしてから、

冷蔵庫に飲み物を取りに行きかけた私の手首を、

みかがグッと掴んだ。



「あー、もう、そんなのいいから!

かりんが座らなきゃ、話始まんないじゃん!!」



「そーだよ。あたしら勝手にやるから、気ぃ使わないで。」




ゆうきの言葉に、なっちゃんもうんうんうなずいている。




「はぁ…」



確かに、いつも途中からセルフサービスで、

みんなしてヒトんちの冷蔵庫好きなだけ開けてくれちゃってるけど…。

最初くらいはちゃんとしようと思ったのにさ…。
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