儚い瞳の守り人


「こんにちは……って萊さん⁉︎大丈夫すか⁉︎」

「あぁ。まぁな……」


「大丈夫じゃないですって‼︎すぐ手当てします」

わたしたちと同い年ぐらいの、茶色に染まる髪に、色シャツを中に着込んだ学ランを羽織った男。


萊はその人に介抱されながら奥の方へ連れてかれた。


え……と、不良みたい人。っていうか不良?

お金持ち学校で入学者が管理されている皇成学園ではあまり見かけられない人種。


不良といえどもあんなに萊のこと心配してくれてたし、ちゃんと手当てはしてくれるんだよね?

本当に大丈夫だよね?


そう心配に思ったけれど助けてくれる人を見た目で判断するのは良いことじゃないから、その考えは捨てる。


わたしたちに目もくれないほど、あの人が萊を気遣っていた姿に、萊はここで愛されてることがよく分かった。


でもいつの間に……こんなところに出入りしてたんだろ。



静かになってわたしたちだけになると、鷹姉がぽつりと呟いた。

「わたしたちどうすればいいんだろうね?」

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