わたしの意地悪な弟
亜子にも利香にも何も言ってはいない。
だが、わたしと樹の距離が急速に離れているのは気付いているだろう。
休みの日くらい家を離れて気分転換する方が気持ちも楽になるかもしれない。
休みの日はあいかわらず樹は家にはいない日が多く、いろいろ一人で想像してしまっていた。
一日でも友人と過ごせばその日だけは気持ちを紛らわせることができるような気がしたのだ。
だから、わたしはその誘いを受けることにした。
「でも、プレゼントはどうするの?」
わたしと同じように「行ってもいい」といった利香が首を傾げる。
「物をあげるのも何か気を遣わせてしまうから、みんなで割り勘でケーキを買おうと言っているんだけど、どう?」
「ケーキか。いいかもね。ただ、それだけでお邪魔してしまうのは悪くないかな?」
「半田君とお姉さんがぜひと言っているんだから、気にしなくていいよ」
「なら、お邪魔しようか」
わたしはそう言った利香の言葉に頷いた。
半田君が誕生日を迎える来週末まではそのことで持ちきりで、樹の話題が遠ざかる気がしてホッとしていた。
だが、わたしと樹の距離が急速に離れているのは気付いているだろう。
休みの日くらい家を離れて気分転換する方が気持ちも楽になるかもしれない。
休みの日はあいかわらず樹は家にはいない日が多く、いろいろ一人で想像してしまっていた。
一日でも友人と過ごせばその日だけは気持ちを紛らわせることができるような気がしたのだ。
だから、わたしはその誘いを受けることにした。
「でも、プレゼントはどうするの?」
わたしと同じように「行ってもいい」といった利香が首を傾げる。
「物をあげるのも何か気を遣わせてしまうから、みんなで割り勘でケーキを買おうと言っているんだけど、どう?」
「ケーキか。いいかもね。ただ、それだけでお邪魔してしまうのは悪くないかな?」
「半田君とお姉さんがぜひと言っているんだから、気にしなくていいよ」
「なら、お邪魔しようか」
わたしはそう言った利香の言葉に頷いた。
半田君が誕生日を迎える来週末まではそのことで持ちきりで、樹の話題が遠ざかる気がしてホッとしていた。