わたしの意地悪な弟
 そのとき、部屋がノックされる。

 返事をすると日和が顔を覗かせた。

 彼女は樹を見て、目を丸めたがそのまま部屋に入ってきた。

 彼女の手には制服が握られている。

「これ、どうする? お母さんに何か聞かれるかな」

「折を見て洗濯に出しておくからそのままでいいよ」

 お礼を言う日和から制服を受け取ると、クローゼットに片づけることにした。

「わたしは部屋に戻るね」

 そう歩きかけた日和を呼び止めた。

「動画どうするの?」

「消してもいいんだけど、しばらく持っておくよ。バックアップをしている可能性もあるしね」

「バックアップか」

 あまりすっきりしない出来事だった。

 この期に及んで彼女を疑うのも気分が悪い。

「日和はあの子だと目星をつけていたけど、間違っていたらどうしたの?」

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