金髪碧眼王子様!?
見られて、ないよね?
まさかこんな授業中に人が来ると思わなかった。
「…先生、私も少し休んでいっても良いですか?」
「それは良いんだけど、会議があって、先生抜けなきゃいけないのよね。鍵は閉めとくし、誰もこないよう札も出しとくから留守番任せられるかしら?」
私はそれを承諾し、ベッドに横になった。
それにしても、痛いな。
まさか、あの程度動いただけでこんな風になるなんて思ってもなかった。
この傷ができた時以来の痛み。
刃物による、普通じゃできない切り傷。
私は約2ヶ月前のあの出来事を鮮明に思い出していた。
引越しするきっかけになった出来事。
母さんを今までで一番泣かせ、私自身、一番後悔して泣いた日。
絶対に忘れられない、忘れちゃいけないこと。