早朝のシンデレラ

手紙

『愛美へ。

誕生日おめでとう。愛美ももう15歳。ですから、もうお見合いを考えて欲しいのです。』

ここまで読んで、一旦私の思考回路はショートしてしまった。

差出人は、名前の知らぬ父親。

私の誕生日は来週。1週間早いですよ?名前の知らぬ父親さん。

それに…お見合いって何?

そんないくつもの質問が思い浮かんだけど、まだ続きがあったので、私はとりあえず続きを読むことにした。

『誕生日が来週なのは知っている。愛美の誕生日当日、我が家でお見合いパーティーを開こうと思う。

だから、この手紙を読み終わったら塔の扉を叩いてくれ。

直ぐに召し使いをそっちに向かわせる。

誕生日までの1週間、豪邸で過ごして、身だしなみ等を学んでくれ。

以上。愛美の父親、未来山修斗より。』

ふぅん。未来山修斗(みらいやま しゅうと)っていう名前なんだ。

私は典型的なO型。

だから、私は直ぐに塔の扉をガンガン…と、叩いたのだった。
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