社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
今のまま、私の片思いで綺麗に終わらせるとこができたのならば、このまま良い同期、良い女友達でいられるはずだ。

そろそろ、片思いのエキスパートを卒業する時期がきたのかもしれない。

私は腕時計を確認すると、個室を出た。

手を洗い、ポーチを出してリップを塗りなおした。さっきかみしめた唇が若干赤いけれど、我慢して泣かなかったから、いつも通りに見える。

「さぁ頑張ろう!」

失恋したってお腹もすくし、仕事もしないといけない。独りよがりの恋は自分の中で消化するしかない。

考えても失くしたものは戻らない。

余計なことを考えなくてもいいように、私はいつも以上に仕事に心血を注いだのだった。
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