社内恋愛症候群~イジワル同期の甘い素顔~
それまでの間に、傍で仕事ぶりをみて吸収できるところは吸収しておかなくては。本当に尊敬できる人の下で働けることは人生においてそう多くはないのだから。
私は両手を思い切り突き上げて、グーッと伸び一度体の力を抜いた。
そして机の上でぐっと拳をにぎり気合を入れる。
さぁ、面倒な仕事終わらせてしまおう。
実は佐山課長に報告しなければいけないことがある。だが……いい話ではない。
こういう話ほど早く報告しなければいけないのはわかっているけれど、気が重い。
さっきせっかく褒められたのにな。
私は未処理ボックスにあるクリアファイルを手に持って、佐山課長の元へと出向いた。
「佐山課長、今お時間よろしいですか?」
「あぁ。なんだ?」
私の声色を聞いてすでに眉間に皺を寄せている。
私はコホンと小さな咳をして、背筋を伸ばして話し始めた。
「実は聖(ひじり)学園の契約の件なんですが」
これは本来ならば九月の時点で契約できると見込んでいた、小学校のパソコンの入れ替えの案件だ。それが伸びて今月——十一月になっていた。
「それがどうした?」
ますます眉間の皺が深くなる。
「実は今月中の契約は難しくなりました。でも、年内には……」
「は? なに言ってるんだ今更!」
佐山課長は声を上げながらデスクを拳でバンッと叩いた。驚いて体が思わずビクッとはねた。
私は両手を思い切り突き上げて、グーッと伸び一度体の力を抜いた。
そして机の上でぐっと拳をにぎり気合を入れる。
さぁ、面倒な仕事終わらせてしまおう。
実は佐山課長に報告しなければいけないことがある。だが……いい話ではない。
こういう話ほど早く報告しなければいけないのはわかっているけれど、気が重い。
さっきせっかく褒められたのにな。
私は未処理ボックスにあるクリアファイルを手に持って、佐山課長の元へと出向いた。
「佐山課長、今お時間よろしいですか?」
「あぁ。なんだ?」
私の声色を聞いてすでに眉間に皺を寄せている。
私はコホンと小さな咳をして、背筋を伸ばして話し始めた。
「実は聖(ひじり)学園の契約の件なんですが」
これは本来ならば九月の時点で契約できると見込んでいた、小学校のパソコンの入れ替えの案件だ。それが伸びて今月——十一月になっていた。
「それがどうした?」
ますます眉間の皺が深くなる。
「実は今月中の契約は難しくなりました。でも、年内には……」
「は? なに言ってるんだ今更!」
佐山課長は声を上げながらデスクを拳でバンッと叩いた。驚いて体が思わずビクッとはねた。