朝陽。



「……本気?」



そう聞いてくる癖に彼は驚いた風も見せず、日直の仕事である日誌に目を向けたまま。




「本気だよ」



そう言う私も彼を見つめる訳でもなく、彼越しに見える夕暮れのオレンジ色になっていく空を彼の席の隣に座って見つめる。




「いつからそう考えてた?」


「うーん……2ヶ月前かな」


「…….ふーん。そうか」



驚かないんだ…。

彼は取り乱すことなく、落ち着いたまま日誌を書き続ける。



「うん…で?返事は?」


「待て、先に日誌終わらせる」


「…今日は丁寧に書くね」


「今日はな…特別」



そう言う彼が気になって日誌に視線を向ける。



「本当だ…丁寧だ」


いつもだったらこんなに丁寧に書かないのに。


殴り書きではない丁寧な彼の字を見るのは付き合うきっかけとなった彼がくれたラブレター以来だ。



そういえばあのラブレターどこに閉まったっけ。


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