フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
「…かすみ?」
「…お父さん」

悠人の話の途中で、かすみの父が出てきてしまった。

「…そちらは?」
「…あ、申し遅れました。同じ職場で働いてる上司の望月と言います。今日は遅くなってしまったので、送らせていただきました」

丁寧な挨拶に返って父が恐縮する。

「…そうでしたか、それはありがとうございます。仕事でも、お世話になっております」

「…お父さん、もう9時過ぎてるけど、どっか行くの?」

「…ん?あぁ、悟史叔父さんが、一緒に晩酌しようって言い出して、ちょっとそこまで行ってくるよ」

「叔父さんも好きね…あんまり飲み過ぎないでね?」
「…あぁ…すみません、望月さん、私はこれで」
「…あ、はい。」


父と悠人は会釈し合うと、父は近所の叔父の家に向かった。

「…すみません、何だか慌ただしくて…あの、話の途中でしたけど」
「…いや、何でもない」

「…そうですか?」
「…あぁ、それじゃあ帰るな」

「あ、はい。ありがとうございました」

頭を下げたかすみに微笑むと、悠人は帰って行った。

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