フラワーガーデンへようこそ〜優しい愛をあなたに〜
…その日の午後、正式な辞令の通達があった。

当然、異例の辞令にスタッフの皆が、困惑し色んな声が上がった。

『プランナーの人員を減らされると困る』
『遠藤さんが必要だ』

良い声は良かったのだが、中には悪い声もあった。

『専務と男女の仲になった』
『遠藤が、色気を使って専務をたぶらかした』

上げればキリがないが…

「…仕事がやりにくいな、遠藤」

かすみのデスクに書類を置いた悠人が呟く。かすみも頷き、溜息をついた。

「…なんで、私だったんでしょうね?もっと熟練のプランナーが沢山いるのに」

「…俺にもわからない。…遠藤に心当たりはないのか?」

「…全然ありません。専務と話をしたのは、この前が初めてなんですよ?それまで遠目で専務を見た事があるくらいで」

「…それだな」
「…へ?」

「…お前に一目惚れしたんじゃないか?」
悠人の言葉に目を丸くする。

「…ま、まさか、そんな事あるわけないじゃないですか?職場では、このなりですよ?色気も何もないじゃないですか」

他のスタッフより、はるかに地味なかすみだ。一目惚れなんて、そんな事ないはずだ。

「…人の好みなんて、十人十色だろ」
「…」
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