バウンス・ベイビー!
「あのね、私だってそんな暇じゃないのよ」
彼女達は私の趣味を知らないから、時間があると思うのは仕方がないことなのかもしれない。一人暮らしで会社と自宅の往復だけだと思っているのだろう。・・・間違ってないけど。
一通りあったことを話しはしたけれど、公園で待ち伏せされた上にキスの講習を受けたことだけは話していない。そんなことを話してしまったら、次はホテルではどうだった?って聞かれそうだ。
そうよー、と梓もうんうんと頷いている。
「別にメガネ上司が好きじゃないんなら、その子と付き合ってみればいいじゃない?付き合ってダメだったらポイすればいいんだし」
「そうよね。でもメガネ上司、よく見たら美形だっていうなら、寝るだけ寝てみれば?あっちも独身なんでしょ?」
・・・簡単に言うね、君たちは。そしてそれ、結構な問題発言だと思うのだけれどね、仁美ちゃん。
私はすきっ腹に入れたスプモーニが効き出して、ふわふわと体が温まるのを感じながらそう思った。
「そんな気軽に上司と寝れるかっ!それに平野とだって、今なら私でいいの?じゃあそれで、ってわけにはいかないでしょ?振られたんだよ、あいつに!それもこっぱ微塵に!」
私がそう言うと、仁美が眉毛を上げながら言った。
「だから大学時代の千明は男から遠ざかっていたんでしょ、それは聞いたわよ。でも6年も前でしょ?お互いにほぼ違う人間になったと思えるくらいよ、あたし達の6年は!80歳や90歳のおばあちゃんじゃないのよ!」