冷たい君の裏側。
やっぱり、少しだけ長い距離をひとりで寂しく歩く。

なんだかお店に女の人と入るソラくんの後ろ姿が見えた気がした。
幻覚だと、自分に言い聞かせた。
そんな訳ない。

スーパーに少し寄り、昨日のご飯の足しにするものを買った。


眠たいなぁ。

「ほら、風間さん」

スーパーから出たところで、ソラくんの声が聞こえた気がした。

振り返ると、愛梨子ちゃんのことをソラくんが支えてるように歩いていた。


「う、そ…でしょ…」

お似合いなのかもしれない。
そう思うだけなら良かった。

二人の姿を目にした瞬間目の前が真っ暗になった。

どうやって家に帰ったかは全く覚えてない。

気づいたら自分のマンションの部屋の前にいた。
無意識に鍵を開け、部屋に入った。

ここにあって欲しい温もりは感じられない。

''Chika''

ソラくんの字でそう書いてある札を見たら涙が止まらなくなった。
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