一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》


蓮さん、あたしの事呼び捨てで呼んでる。


確かに、あたし、名前しか言ってないから必然的に名前で呼ぶ事になるんだけど…。


それって何だか…恋人同士みた……。


「……………夢月」

「わっ」


『早くしろ』蓮さんが目で訴えてきた。


「ごっ…ごめんなさいっ…」


あたしはタタタタッと蓮さんに駆け寄った。


「れ、蓮さんって綺麗好き?」



あたしは気を紛らせようと、部屋を見渡しながら蓮さんに尋ねる。



「…別に…そういうわけじゃない。あまりここには帰らないからな」


そう言って蓮さんは、あたしの荷物を床に置いた。


ここまで蓮さんがあたしの荷物を持ってくれたのだ。





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