一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》



「あ……」


また夢を見ているのかな。あたしはまたプラネタリウムのような星に囲まれた世界にいる。


今日はいつもみたいにママとパパの声が聞こえない。


「…近づいてくる…」


星が近づいてくる。最初はあんなに遠かったのに…。


ぼーっと星空を見上げる。その時、キラッと流れ星が流れた。


「…流れ星………」


確か、流れ星が消えるまでにお願い事を3回言うと叶うんだっけ…。


「もし願いが叶うなら…」

あたしは何を願った??

叶えたい願いって、何だろう…?


今までは、ただママとパパの所へ行きたくて、早く終わりが来るのを待ってた。


だけど、今は??


蓮さんの傍にいたい。
傍にいる為に、あたしは何をしたらいいの。


「夢月……」


蓮さんの泣きそうな顔が、忘れられない。



それが、あたしのせいだって分かっているから、あたしは、蓮さんの傍にいたらいけない。



何を選んでも、蓮さんを傷つけてしまうような気がして、あたしは途方にくれた。










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