一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》
「行ってらっしゃい」
豊さんに見送られ、あたしは一人で歩きだした。
「夢月」
微笑みながら、手を差し出す蓮に、あたしはまんべんの笑みで手を伸ばす。
ここから…始まる。
あたしは、この人と生きていく。
「蓮っ……!!」
「もう、泣いてるのか?」
そう言ってあたしの手をとる蓮も、涙ぐんでいた。
「蓮だって!!」
「やっと…お前を手にいれたんだぞ。今日くらい泣かせろ」
そう言って笑う蓮に、あたしは抱きつく。