一番星のキミに恋するほどに切なくて。《改装版》


―ピッ

「合計1260円です」

「あ、はい」

お金を出して苦笑いする。
醤油買いに来たつもりなのに……。


これも足りない、あれも足りないとかで…。色々買ってしまった。



蓮さんから買い物用のお財布を渡されている。無駄遣いはしないように、節約しながらやりくりしていた。


「ふぅ……」


買った物を袋に詰めて外に出ると、雲一つない空が広がっていた。


「……本日は快晴なり」


外に出てきて良かったなぁ。


空を見上げながらマンションまでの道のりを歩く。


家を出てからもう2週間近く経ってるんだ…。


早いなぁ。前まではただこの命が終わるのを待ってるだけで一日が長くて苦しい時間でしかなかった。


でも今は、蓮さんと過ごす時間がものすごい早さで過ぎていく。

このまま、こうしていられたら……。


「夢月っ!!」

「えっ……?」


名前を呼ばれて振り返ると同じクラスの親友、飯島 亜里沙(イイジマ アリサ)がいた。


制服を着ているから、これから高校へ向かう途中なんだろう。





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