ドラマ好きの何が悪い
「私も立花さん、がんばっちゃうんだからさ、ミナミ先輩もイケメン研究職にいっちゃいなよぉ。」

少し興奮しているのかハルカの口元は緩みっぱなし、声もいつもより大きい。

カイトを紹介されるっていうのが、よほど嬉しかったんだろう。

「はいはい、考えとくわ。」

そんなハルカに適当に返事して、またワインを飲んだ。

二人して、結構飲んだことに気づく。

元々お酒に弱いハルカは真っ赤かで目もトロンとしてきた。

それに対して私っていう人間はお酒にはめっぽう強い。

全く酔いもしないし、おそらく顔も赤くなっていないと思う。

どんなけ丈夫な肝臓なんだ。


カイトとハルカを引き合わせるのはどこがいいんだろう。

やっぱわが家?

もしくは普通にレストランとか居酒屋とか。

カイトのタイプだと居酒屋だろうね。庶民的な。

あんまり格好つけた場所は苦手っぽい。

半分寝かかってるハルカを見ながら、メールを打った。

こういうのは早いに限る。

『カイトお疲れ。私のかわいいハルカちゃんご存知?今一緒に飲んでるんだけどハルカちゃんカイトのこと褒めまくってたよ-。よかったら今度一緒に飲みに行かない?』

なるべくあっさりとね。

まぁ、女好きだから、すぐに飛びつくだろうけど。

5分くらい経っただろうか。

着信音が鳴った。

カイトだ。

『飲んだくれババ-、かわいこちゃんと今飲んでるの?いいねぇ。なんなら今からそちらに行きましょうか?』

うわ。

やっぱりねー。くいつき早いって。

ほおづえをついて、苦笑しながらため息をついた。

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