鬼常務の獲物は私!?
ビクビクしながら星乃ちゃんを見ると、目の玉が飛び出しそうなほどに見開き、髪の毛が逆立つ勢いで驚いている。
それから急に青ざめて、ゆらゆらと体を左右に揺らしたかと思ったら、バッタリと後ろにひっくり返ってしまった。
「ほ、星乃ちゃん⁉︎」
慌てる私の前で星乃ちゃんは、自力でゆっくりと身を起こす。
下を向いているから黒髪が前に流れて、顔が見えないのがなんとなく恐い。
机に両手をついて、体を支える星乃ちゃん。
その顔を上げると……髪の隙間に片目だけ見えて、ホラー映画のようにさらに恐かった。
「日菜……」
「う、うん、ええと……大丈夫?」
「大丈夫なわけないでしょ、この大バカ者がー‼︎」
さっき皆んなに、静かにするように注意していた星乃ちゃんが、大声を出していた。
幸いなことに男性社員が覗きに来ることはなかったので、またゴキブリが出たのかと思ってくれたのかもしれない。
「日菜の運命の相手は神永常務だと、言ったよね?すべて、この私の占い結果通りに進んでいたのに、なぜ断った?あんたは大バカか?」