鬼常務の獲物は私!?



その言葉に周りの皆んなは「ああ……」と呟き、頷いてくれた。

常務は恐い人だから。
それだけで交際を断る理由になると、星乃ちゃん以外の皆んなは納得してくれたみたい。


盛り上がっていた休憩室が、急に静かになってしまった。

星乃ちゃんは頭を抱え、「私の占いが外れるはずないのに……」とブツブツ繰り返していて、他の人は黙々とお弁当やパンを口に運んでいる。

私もやっとお弁当を口にした。
喜ばすことができなくてごめんなさいと、心で謝りながら……。


その状態が15分ほど続き、お弁当箱がもう少しで空になるというところで、休憩室のドアが再び勢いよく開けられた。

何事かと全員の視線が注がれる中、息を切らせて立っているのは、仕事のできる後輩社員の理香ちゃん。

コートを着てビジネスバッグを肩にかけ、帰ってきたばかりという格好の彼女は、私と玉置さんの間に割って入ると、早口で言った。


「ソワソワして、仕事にならなくて、契約取れない内に帰ってきちゃいました!」

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