Christmas Rose

午後になり、アリスの部屋にお針子が集まっていた。

明日の戴冠式に着るドレスの試着をしていた。


白の生地にゴールドの刺繍がされており、なんとも豪華なドレスだった。


「…こちらは、代々王妃様へ受け継がれるティアラです。」

マリア夫人の言葉にアリスはティアラを手に取った。

大きなダイヤが施されたティアはとても美しく輝いていた。

代々受け継がれて来た物なだけあり、歴史の重みも感じた。


「…本当によく似合っています。明日は国中が新しい国王とアリス様に注目していますよ。」


マリア夫人の言葉に鏡に映る自分を見て、胸に手を当てた。


アステルから慌ただしくこの国へ嫁いできて、こんなにも早く王妃になる日が来るとは…




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