年下わんこに要注意


「ゆいちゃん、ゆいちゃん、起きて〜」


あれ?デジャブ?

そんな事を思いながら目覚める。

まだ体が怠くて起きる気になれないでいると、私に覆い被さる様に彼が抱きしめる。
そのままゆっくりと抱き起こされた。

「ゆいちゃん、朝ごはん出来たけどどうする?まだ寝てたい?」


すっかり彼の匂いに慣れて、ぼんやりした頭でさえも"もっとこの匂いを嗅いでいたい"と自分からぎゅっと彼の胸に顔をうずくめる。

「ん?どうしたの?言ってくれないと分からないよ?」


優しい声に安心して、また眠くなってきた。
頭をよしよしと撫でられて、心地よくなる。


そう言えば、私、またここに帰って来ちゃってる。
帰らないと…

そう思うのに帰りたくないと思ってしまうからどうしようもない。

こうなるのが怖かったから誘いを断ろうとしたのに。
台無しだ。


昨日は"練習しようね"と何度も彼に揺すられて、終わったと思ったらまた始まって…


本当にお嫁に行けない体にされてしまったらどう責任を取ってくれるつもりなんだろうか。

もう彼とは関わりたくない。
関わらないようにしなくては。

彼とこうしているのは今日だけで終わりにしなくては、私の方がハマってしまいそうだ。



結菜はそう決心しながらも遥人のキスを当たり前のように受け入れてしまっていることに気付いていないのだった…










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