年下わんこに要注意



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いつもの如く足腰立たない状態なのに彼は容赦ない。

どうして?
なんで?

あんなに可愛いと大好きを何度も言ってくれるのに。

と疑問が浮かぶが、それを言う余裕はない。


「ゆいちゃん、気持ちいい時はなんて言うんだった?」

「はるく……の名前……ん、はぁ…っ、」

「そうだね。分かってるのになんで出来ないの?」


どうして私は未だに彼からこんなに問い詰められているのだろうか?

もしかして、私どこかで間違えてしまったのではないだろうか…?
でも彼の事は好きだし、日中は相変わらず優しいのだ。


今日、無事にお互いの両親への顔合わせも終えて、週明けに会社へも報告しようという運びになっているのに、彼は相変わらずだ。
本当に年下とは思えない程の指導力である。

良いように躾られて、彼の色に染められていく。

それでも私はやっぱりイケメンに弱い。
しかも好きになってしまった相手なので更にも増して彼には弱いのだ。



月曜日、私は女子社員達に抹殺されることを恐れながらも愛しい彼の腕の中で眠りについたのだった。










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