way of life
シドは不服そうな表情を浮かべながらも梨乃に視線を移す。
不安そうな表情を浮かべる梨乃に、ハッとして唇を噛んだ。
「・・・行くぞ」
「え、あ・・・うん」
梨乃は戸惑いながらもシドについて歩き出した。
部屋を出た梨乃たちは、階段を1階まで降りると一室の中に入る。
そしてその奥の床に小さな隠し扉があった。
「ここ・・・」
「隠し部屋です。中へ」
「う、うん」
そこを開くと下に続く階段があった。
薄暗いその中に、梨乃は不安になる。
シドの顔を見上げると、シドはしっかりと頷く。
それに梨乃は少しホッとし、ゆっくりと降りていった。
階段の下にはまた扉があり、そこを開くと薄明かりの中広めの部屋に繋がっていた。
「あ・・・」
「梨乃。無事たどり着けたか」
「こ、国王さま・・・」
中にはすでに国王がおり、梨乃を迎えた。
忙しい国王と会うのは、舞踏会の日以来だった。