way of life


「え・・・婚約者?」



梨乃は、国王に呼ばれ謁見の間に来ていた。
そこで告げられたのは、婚約者の存在だった。




「そうだ。落ち着いたら話そうと思っていたのだが。そうも言っていられなくなった」

「え・・・?」

「以前の、ドーベル王国の裏切りの件から、エスターン各国の情勢が不安定になってきている。さらに、今回のヘルスターの襲撃。国民は多大な不安と恐怖に支配されている」

「それは、聞いています」



国が統一され、少しずつ安定していた情勢。
しかし、ヘルスター王国の脅威は消えたわけではなかった。

それでも、エスターンという大国は、安定しており無駄な争いを生まないという心情の元多大な支持を得て反映してきた国だった。



しかし、ヘルスター王国に寝返る国が出てきた。
ヘルスターの脅威はいまだに消えない。



「その中で、争う事も必要ではないかと声を上げる派閥が各国で生まれているという」

「そんな、争いなんて・・・!」

「争いは何も生まない。しかし、素手で刃には勝てないことも、我々は知っている」




< 300 / 507 >

この作品をシェア

pagetop