やさしい先輩の、意地悪な言葉
「い、いえいえ!」

私は慌てて両手を顔の前でブンブンと振る。


「あ、あの、その、せっかくのおふたりの飲み会に私なんかが混ざったら申しわけないですし……!」

「えー、そんなことないよ。若い女の子が来てくれた方が俺はうれしいな」

「いえあの……!」

違うんですよー! 誘っていただけてるのはとってもとってもうれしいんです!
でも、人と会話するのがニガテな私なんかが混じらせていただいてもおふたりに気を遣わせてしまうだけだろうし、それに、本店の二大イケメンと言われている神崎さんと二山さんといっしょに飲みになんて行ったら周りの女性社員の方々がなんて思うかわからないし……!


でも私は、この性格のせいではっきりとうまく断れず、「あの、あの」と口ごもるばかりだった。



……すると。


「ダメだよ」

突然発せられたその言葉は、神崎さんの静かな声だった。


私と二山さんが神崎さんに振り返ると。
神崎さんは、普段まったく見せない怖い表情で二山さんを見ていた。

そして。

「お前、なに瀬川さん誘ってるんだよ。やめろよ」

え、なに……どういうこと?


「そんな怒んなよ。べつにひとりくらい増えたってさー」

二山さんはとくに怯む様子もなく明るくそう答えるけど。
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