④オオカミさんのプロポーズ エリート課長の専決事項
己を鼓舞し、キッと顔を上げた。
「支社の方は、お任せください!…ただ、…その…連れていく人は。
つまり、伴侶になる人の決定は…ワタクシに一任させて頂きたいと!
そのように考えておりますっ」
45度に礼をする。最後まで言い切った。
上目づかいで顔色を窺う。
「……」
社長は、“んっ?”と眉を潜めた。
その顔色が、みるみるうちに曇ってゆく。
冷や汗が、止まらない。
「……松嶋くん」
社長は徐に、傍らに控える秘書兼愛人に、顔を向けた。
「…君、言ってなかったの?」
場を、沈黙が支配した。
第一秘書、松嶋七緒が、伏せていた睫毛を重たげに上げた。
「……忘れてた。エヘッ」
「支社の方は、お任せください!…ただ、…その…連れていく人は。
つまり、伴侶になる人の決定は…ワタクシに一任させて頂きたいと!
そのように考えておりますっ」
45度に礼をする。最後まで言い切った。
上目づかいで顔色を窺う。
「……」
社長は、“んっ?”と眉を潜めた。
その顔色が、みるみるうちに曇ってゆく。
冷や汗が、止まらない。
「……松嶋くん」
社長は徐に、傍らに控える秘書兼愛人に、顔を向けた。
「…君、言ってなかったの?」
場を、沈黙が支配した。
第一秘書、松嶋七緒が、伏せていた睫毛を重たげに上げた。
「……忘れてた。エヘッ」