君に遺された恋
うちが城の主治医として仕えるきっかけになったのは
城下町で王様が急に意識を失われたのを、俺の父が救ったこと。

エルナー王子がご結婚された年だったかな。

父は一目見て、王様が何らかの魔法にかけられて
一時的に気を失っているだけと判断して、
王様をうちの病院で看病した。

このことを王様が大変喜ばれ、
以来、城の主治医として仕える事になったんだ。


が。ーーーーー


ある日、早朝から城の使用人が血相を変えて俺の家のドアを叩いた。


「先生!!ジオラス先生!!!助けてください!!!」

まだ4時だぞ…
ガチャ…

「はい…?」

「大変なんです!!今すぐ!!今すぐ助けてくださ…」
「落ち着いて。状況を説明してください。」

「それが…トリア様の陣痛が始まり、王子が襲われて血まみれになっています…」
「は?!」

全く意味が分からない。
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