強引同期と偽装結婚することになりました
「・・・もしもし、お父さん。優木くんから、話したいことがあるみたいだから代わるね」


耳を塞いでおこうか。聞きたくない。思わず、立ち上がろうとすると優木くんに腕を引っ張られ、ソファに逆戻り。


「すみません。こんな時間に。大変、恐縮なお願いをしたいのですが、お願いできますか?」


「優木くん?」


「はい。交通費は後からこちらで支払わせていただくので、明日お二人でこちらに来ていただけませんか?きちんとお話したいことがあるんです」


私が動揺している横でまだ、優木くんは話を続ける。


「本当ならこちらからお伺いしなければいけないのですが、どうしても今、仕事を休めなくて。本当に申し訳ありません。はい。明日も仕事後になりますが、よろしくお願いします」


「えっ?明日、お父さんたちを呼んだの?」


「うん。だから葵もそのつもりで。明日、仕事帰りにここに来てもらう」


「なんで、勝手に決めるの?結婚式はどうするの?」


「やっぱり俺は、自分を変えられない。だから、葵には悪いけれど結婚式はする」
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