強引同期と偽装結婚することになりました
「めっちゃ、美味しい!」

ここのケーキは私も実家にいるときによく買っていたケーキ。

中でもこのチーズケーキは絶品で誕生日は必ずこのチーズケーキをねだっていた。
コーヒーを淹れて、ケーキを頬張ると久しぶりに心がほっこりした。優木くんも美味い、美味いと食べ進めている。


自分の好きなものを美味しいって言ってくれるのはやっぱり嬉しい。


「葵のその顔、久しぶりに見た。その「めっちゃ」も久しぶりに聞いたな。やっぱりいいな、それ。でも、なんかずっとバタバタしてたな」


「仕事も今、バタバタしてるもんね。でも、企画が始まったらもっともっと忙しくなるんだろうな」


「葵、ちゃんと、言ってなかったよな。結婚は白紙にしたけどそれは手順を踏みたかったのもあるんだ。俺とさ、付き合ってほしい」


「優木くん・・・」


「強引にいろいろ決めて暴走したから本当、肝心なことちゃんと言わなさすぎたけど、俺、葵のこと本当に好きだからさ。だから付き合ってくれないか?そして、改めてまた指輪を渡してプロポーズさせてほしい」


「こちらこそ、よろしくお願いします。あっ、でも企画が終わるまでは戦友じゃなかった?」

「戦友だけど、キスだけは解禁しただろ?」


優木くんのキスはやっぱり強引で火が点いたようにどんどんと深くなっていく。優しいはずだと思っていた優木くんのイメージはどんどんと変わっていった。


一度、決めたら貫き通す。


そのために暴走したりもするけれどそんな強引な同期の優木くんと偽装結婚することになりました。
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