強引同期と偽装結婚することになりました
ただでさえ、人にバレてはいけないのに隙を見ては詮索してくる。

その度に優木くんが怒鳴ってくれるけれど、聞く耳持たず。


「どうにかなあ、まあここからどう転ぶかだろな。すぐ辞めるか根性見せるか。多分、あのままじゃすぐにつまづくのは目に見えてるからな」


「それまでほっとけってことですか?一緒に入った白峰さんは、すごく真面目なのに、どうして彼を雇ったんですか?」


「面白そうだろ。あいつの企画。ああいうやつの考える企画を見て見たかったんだ。まあそれまで続くかわからんけどな」


タバコをふぅっと噴かせて、社長はそう言った。企画なんてとんでもない。どうせ、ロクな企画なんて考えられないに決まってる。


毎日の詮索に憤りを感じていた私は柳くんに対して嫌悪感しか持っておらず、社長の言葉にも苛立ちしか感じなかった。

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