強引同期と偽装結婚することになりました
浜辺に二人腰を下ろして、お茶を一口飲んでキャップを填めた。心配そうな声で問いかけてくれる優木くん。

話してもいいのかな。でも、こんな情けなさすぎてどうしようもない話、聞かせるのも申し訳ない。


「篠宮、俺じゃ頼りないか?俺じゃお前の話を聞くことも出来ない?」



なんでそんな風に優しいの?そんな風に言われたらこんなに惨めで情けない話なのに、話したくなる。



「あ、あのね・・・実は、私・・・」



そして、私は全て優木くんに話した。結婚前提だと思っていた彼氏が結婚詐欺師で貯金も全てなくなったこと、逮捕されたから返金もないこと。


それに実家の両親が私の結婚をすごく楽しみにしてくれていて、今更白紙になったことも結婚詐欺にあったことも言えずにいたことも何もかもすべて。



「本当、悪いことは重なるもんだね。こんなときなのに追い打ちをかけるように企画書を完成させてないと白紙だって言われてさ。もう、頭、真っ白だよ」
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