強引同期と偽装結婚することになりました
車内では私の好きなアーティストの曲が流れていて何から何まで優しすぎてまた涙。この曲、俺も好きなんだと優木くんの言葉に嬉しくなる。

チャイルドシートのことは正直少しだけ気になるけれどそんなことより、今はこの温かい時間に身を委ねていることにした。

「まだ、ちょっと寒いな」

優木くんが連れてきてくれたところは会社から車で30分くらいの場所にある海岸だった。ここは去年の夏、みんなでバーベキューをした場所。

夏のように人はいなく、薄暗くまだ少しだけ肌寒いけれど海が好きな私にはありがたい場所だった。

「とりあえず、飲めよ」

途中、トイレ休憩と生じてコンビニに寄ったときに優木くんはペットボトルのお茶を買ってくれていてそれを私に渡してくれた。手が震えて、キャップが開けれない私にキャップまで開けて。

「ごめんね。何から何まで」

「そんなの気にすんなって、お前だって俺によく差し入れしてくれるだろ?それより、俺はお前の話が聞きたい。何があった?」
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