強引同期と偽装結婚することになりました
「だいたい、子育てママのためのツアーなんて需要もないでしょ。子育てが辛いなんて、女の言い訳。男なんて朝から晩まで働いてるのに、女なんて家事と育児やってりゃいいだけなんだからそれに気分転換なんていらないだろ。無駄無駄」


中を開けることもなく、タイトルだけで企画全てを全否定。悔しい。家事と育児をやってるだけ?その家事と育児がどれだけ大変か知りもしないで。


でも、それを言い返すだけの経験を私もしていない。全てが話を聞いただけ。体験者ではない。


祐は、こんなときどうする?きっと彼ならそれでも推し進められる秘策があるのかもしれない。でも、こんなラスボス私は倒す術を知らない。


「俺を、利用しろ」


足を組みながら、女性軽視が止まらない高橋さんを前に、ふと祐が言ってくれた言葉が頭を過った。

自分の名前を利用するための偽装結婚まで考えてくれた。お互い思いあっているし、偽装というのはおかしいけれど彼が自己満足していない結婚をしてくれた。


本当なら最後まで使いたくなかったけれど、せっかく彼がくれた名前を使わせてもらうしかない。
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