強引同期と偽装結婚することになりました

「今日はよろしくお願いします」

バス停まで行くと停車中のピンクの観光バスが停まっていた。

今回の企画を女性運転士の神原さんに伝えるとそれならとたまにしか使用しないピンクバスを使ってくれることにしてくれた。


「ドキドキですね。でも、私も赤ちゃん大好きなので楽しみです」


添乗員の南さんは派遣社員で私よりも若い21歳。可愛くて愛らしい笑顔のため、シニアのおじいちゃまたちからは指名のかかる添乗員。

バスに乗り込んで、まだまだ時間があるのでしばらく三人で話していると私の携帯に連絡がきた。この番号は、マリンシティからだ。


まさか今更不手際があったとか？もし、それならどうしようと慌てて二人から離れて後部座席に座り、電話に出た。


「はい。trabitの優木です」


「あっ、優木さん？私、マリンシティの横山です。いよいよ今日ね。お天気も良くて良かったわ」


なんだ、労いの言葉をわざわざ電話で掛けてきてくれたんだ。そう思って、ホッとしていると、横山部長から思いがけないことを言われてしまった。