強引同期と偽装結婚することになりました
「今日の昼間、ツアーを宣伝してもらうんだけどテレビ局があなたのインタビューを入れたいみたいなの。お願いできる?」


「イ、インタビューですか?!む、無理です。私、ひ、人前でなんて話せません」

「大丈夫よ。ほんの二言、三言答えてくれるだけでいいみたいだし、旦那様もやってたんだから。じゃあ今日はよろしくお願いしますね」


「ち、ちょっと待ってください。横山部長!」


私がまだ無理だと言っているのに勝手にお願いだけされて電話は切られてしまった。

インタビュー?そんなの、無理。自慢じゃないけど人前でなんて話せない。チラシを配って営業するのとわけが違う。


どうしよう、無理、無理無理ー。また、震え出す携帯。横山部長なら何としても断ろうと思ったのに会社からだった。


「おーい篠宮、じゃない。優木、さっき横山部長から連絡きたぞ。お前、テレビに出るんだってな?あのキャッチコピー頼むぞ」


「社長!私、無理です。テレビなんて無理です。何も喋れません」


「大丈夫、大丈夫。適当に向こうがうまく編集してくれるさ。だからキャッチコピーって、おい人が話してるのに受話器取るなよ」
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